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作画がすごいアニメ16選|戦闘・背景・エフェクトのタイプ別に選ぶ
作画がすごいアニメを探しているとき、作品名の一覧だけを見せられても選びきれないことがあります。作画がすごいという言葉が、人によってまったく違うものを指しているからです。剣がぶつかる瞬間の動きを指す人もいれば、誰も動かない場面の背景の空気を指す人もいます。同じ言葉で探しているのに、たどり着きたい映像が違うわけです。
この記事では、まず作画がすごいの中身を6つの要素に分解します。そのうえで、戦闘作画・日常芝居・背景美術・エフェクト・劇場級の密度というタイプ別に、作画で語られることの多いアニメ16作品を整理しました。さらに、制作会社ごとの作風の違いと、最後まで作画が安定している作品を視聴前に見分ける方法までまとめています。
話数・放送年・アニメーション制作・あらすじは、各作品の公式サイトと配信サービス公式の記載を2026年9月10日に確認したものです。映像の良し悪しを順位で断定することはせず、どういう作りの作品で、どこに目を向けると楽しめるのかという事実だけをお伝えします。
この記事にストーリーのネタバレはありません。 公式が公開している範囲の情報と、映像面の見どころだけを扱います。
作画がすごいとは何を指すのか
作画という言葉は、狭くはキャラクターを描く工程を指しますが、視聴者が作画がすごいと言うときには、画面全体の情報量や気持ちよさをまとめて指していることがほとんどです。ここを分けておくと、自分が探している映像に近い作品を選べるようになります。
要素1 動きの枚数と間の取り方
アニメーションは静止画を並べて動きを作ります。同じ1秒でも、枚数を多く使えば動きは滑らかになり、少なく使えば動きは強く速く見えます。枚数が多いほど良い、という単純な話ではないのがこの要素の面白いところです。強い一撃を見せたい場面では、あえて枚数を絞って衝撃を出す作りが選ばれることもあります。
見どころとして意識しやすいのは、動きが止まる瞬間です。振りかぶってから打ち込むまでの静止、着地した直後の一拍。この間の置き方がうまい作品は、動いていない時間まで気持ちよく感じられます。戦闘シーンを見返すときは、速い部分ではなく止まる部分に注目すると違いが分かります。
要素2 キャラクターの一貫性
同じ人物が、話数をまたいでも同じ人物に見えるかどうかです。アニメは多くのスタッフが分担して描くため、担当者が変わっても印象がぶれないように、キャラクターデザインと総作画監督が全体の基準を管理します。
視聴者側から確認できるのは、公式サイトのスタッフ表記です。キャラクターデザインと総作画監督を同じ人が兼ねている作品は、絵柄の管理が一本化されている構成だと分かります。本記事の16作品も、公式に掲載されている役職表記の範囲だけを根拠にしています。
要素3 背景美術
キャラクターの後ろに広がる風景です。背景は動かないぶん描き込む時間を確保しやすく、作品の世界観を決定づける役割を担います。美術監督という役職が置かれている作品では、公式のスタッフ欄でその名前を確認できます。
背景を楽しむコツは、キャラクターが画面の端に寄る場面を待つことです。会話中に視線を少しずらして、窓の外や部屋の隅を見る。そこに描き込まれた情報量が、作品の空気そのものを作っています。同じ部屋が時間帯によって描き分けられている作品は、背景に手数がかかっている分かりやすい印です。
要素4 エフェクトとデジタル合成
炎・水しぶき・光・煙といった、形の決まっていないものの表現です。近年は手描きの原画に、撮影工程でデジタルの光や粒子を重ねる作り方が一般的になり、手描きとデジタルの境目が見えない画面が増えました。
この要素が強い作品は、暗い場面で真価が出ます。光源がひとつしかない夜のシーンや、爆発の直後に舞う粉塵。明るい昼の場面よりも、暗い場面のほうが差が出やすいと覚えておくと選びやすくなります。
要素5 演出とカメラワークとの組み合わせ
どれだけ丁寧に描いても、見せ方が合っていなければ印象に残りません。カメラをどこに置くか、どの瞬間に切り替えるか、どこまで引くか。作画の力は、この演出と噛み合ったときにはじめて視聴者に届きます。
引きの画で全体の位置関係を見せてから寄りに切り替える、という基本の流れができている作品は、初見でも状況が分かります。逆に、寄りだけで押し切る演出は迫力が出る代わりに、何が起きているかを追いにくくなります。どちらが優れているかではなく、作品が何を優先しているかの違いです。
要素6 音との同期
作画の気持ちよさは、音と揃ったときに何倍にもなります。打撃の瞬間に音が重なる、動きの止まりと同時に静寂が来る。この同期がとれている作品は、映像だけを無音で見たときよりもはるかに強い印象を残します。
音そのものに関心があるなら、音楽・劇伴の演出が印象的なアニメもあわせてご覧ください。作画と音の関係は、どちらから入っても同じ場所にたどり着きます。
この記事の選定基準
作画の評価は本来、見る人の好みに大きく左右されます。そこで本記事では、公式が公開している事実で確認できることだけを根拠にしました。
基準1 公式クレジットで確認できること
アニメーション制作会社・監督・キャラクターデザイン・総作画監督・美術監督といった役職は、公式サイトや配信サービス公式の作品ページに掲載されています。本記事はこの範囲だけを使い、個々のスタッフの技量を比較するようなことは書きません。
基準2 公式あらすじと話数
作品紹介は公式のあらすじの範囲に留め、物語の展開や結末には触れません。話数と放送年も公式ページの記載をそのまま使っています。話数は、作画の安定を判断するうえで重要な材料になるため、全作品について記載しました。
基準3 判定に使わなかったもの
人気投票の順位、視聴者の評価点、まとめサイトの序列は使いませんでした。これらは母集団や集計方法が作品ごとに違い、比較の土台にならないためです。賞歴についても公式の発表を確認できたものだけを扱う方針とし、本記事では作風の説明に絞っています。
タイプ別に選ぶ、作画がすごいアニメ16作品
ここからは、冒頭で分解した要素のどれが際立つかで5つのタイプに分け、それぞれ3作品ずつ紹介します。1作品につき、公式に掲載されている話数・放送年・アニメーション制作と、映像面の見どころを添えました。
| 作品 | タイプ | 話数(話) | 放送年(年) | アニメーション制作 |
|---|---|---|---|---|
| 鬼滅の刃 竈門炭治郎 立志編 | 戦闘作画 | 26 | 2019 | ufotable |
| 呪術廻戦 | 戦闘作画 | 24 | 2020 | MAPPA |
| チェンソーマン | 戦闘作画 | 12 | 2022 | MAPPA |
| その着せ替え人形は恋をする | 日常芝居 | 12 | 2022 | CloverWorks |
| 凪のあすから | 日常芝居 | 26 | 2013 | P.A.WORKS |
| よふかしのうた | 日常芝居 | 13 | 2022 | ライデンフィルム |
| 白い砂のアクアトープ | 背景美術 | 24 | 2021 | P.A.WORKS |
| 平家物語 | 背景美術 | 11 | 2021 | サイエンスSARU |
| ヴァイオレット・エヴァーガーデン | 背景美術 | 13 | 2018 | 京都アニメーション |
| Fate/Zero | エフェクト | 25 | 2011 | ufotable |
| 86―エイティシックス― | エフェクト | 23 | 2021 | A-1 Pictures |
| ぼっち・ざ・ろっく! | エフェクト | 12 | 2022 | CloverWorks |
| 進撃の巨人 Season 1 | 劇場級の密度 | 25 | 2013 | WIT STUDIO |
| 甲鉄城のカバネリ | 劇場級の密度 | 12 | 2016 | WIT STUDIO |
| モブサイコ100 | 劇場級の密度 | 12 | 2016 | ボンズ |
タイプ1 戦闘作画で選ぶ
刃や拳がぶつかる瞬間の動きと、それを追うカメラワークが見どころになるタイプです。1話あたりの体感の密度が高く、映像だけを目当てに見ても満足しやすい入口になります。
鬼滅の刃 竈門炭治郎 立志編 は、大正時代の日本を舞台に、鬼に家族を奪われた少年が、鬼に変わってしまった妹を人間に戻すために鬼狩りの道を進む物語です。監督は外崎春雄、アニメーション制作はufotableで、同社の公式作品一覧にも掲載されています。剣戟の軌跡に色と光を重ねる画面作りが特徴で、暗い夜の場面ほど画面の情報量が増えるのが分かりやすい作品です。
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★4.88(レビュー82件)|三省堂書店
呪術廻戦 は、呪いを祓う術師たちの世界を描く作品で、監督は朴性厚、シリーズ構成は瀬古浩司、キャラクターデザインは平松禎史、アニメーション制作はMAPPAです。手足の動きが大きく、カメラが人物を追い越すように動く場面が多いのが特徴で、戦闘中の位置関係が常に把握できる作りになっています。動きの速さそのものより、速さを見せるための引きの画の使い方に注目すると違いが見えてきます。
チェンソーマン は、悪魔を狩る仕事に就いた少年を主人公にした作品で、監督は中山竜、キャラクターデザインは杉山和隆、美術監督は竹田悠介、アニメーション制作はMAPPAです。実写映画のようなカメラの揺れや、手前と奥のぼかしの使い方が特徴で、戦闘シーンでもキャラクターの表情が寄りで抜かれる場面が多く残されています。派手さより、画面の質感の統一を楽しむタイプの作品です。
タイプ2 日常芝居で選ぶ
誰も戦わない場面の動きが見どころになるタイプです。指先の動き、目線の移り方、座り直すときの重心。派手さはありませんが、一度気づくと戻れない面白さがあります。
その着せ替え人形は恋をする は、人形の頭師を目指す高校生と、クラスの人気者である女子生徒が、ある秘密をきっかけに関わりはじめる物語です。監督は篠原啓輔、シリーズ構成は冨田頼子、キャラクターデザインと総作画監督は石田一将が兼務し、アニメーション制作はCloverWorksです。衣装のしわと髪の毛の動きが、会話の最中もずっと生きているのが特徴で、動きの少ない場面にこそ手数が使われています。
凪のあすから は、かつて人が海の中に住んでいたという設定のもと、海に住む中学生たちと陸で暮らす同世代が出会う物語です。監督は篠原俊哉、シリーズ構成は岡田麿里、キャラクターデザインは石井百合子、美術監督は東地和生、アニメーション制作はP.A.WORKSです。水中の場面で髪と服がゆっくり揺れ続ける表現が特徴で、陸の場面との空気の重さの差が絵だけで伝わります。
よふかしのうた は、夜の街に出た中学生の少年が、吸血鬼の少女と出会うところから始まる物語です。監督は板村智幸、脚本は横手美智子、キャラクターデザインは佐川遥、アニメーション制作はライデンフィルムです。夜の場面がほぼすべてを占めるため、限られた光源のなかで人物の輪郭をどう見せるかという設計が徹底されており、暗さの表現が単調にならない作りになっています。
タイプ3 背景美術で選ぶ
風景と光がそのまま作品の主題に結びついているタイプです。何気ない一枚絵で一時停止したくなる場面が多く、大きな画面で見る価値が高い分類でもあります。ゆっくり見返すほど発見が増えます。
白い砂のアクアトープ は、沖縄の水族館を舞台に働く若者たちを描く作品で、監督は篠原俊哉、アニメーション制作はP.A.WORKSです。同社の公式作品一覧にも掲載されています。水槽の中の光の屈折と、屋外の強い日差しという性質の違う光を同じ画面で扱う場面が多く、背景美術の見どころが分かりやすく配置されています。
平家物語 は、平安時代の末期を舞台に、亡くなった人が見える目を持つ男と、未来が見える琵琶法師の少女を軸に据えた作品です。監督は山田尚子、シリーズ構成と脚本は吉田玲子、キャラクター原案は高野文子、音楽は牛尾憲輔、アニメーション制作はサイエンスSARUです。線の細さと色数を抑えた画面作りが特徴で、華やかな場面ほど色が静かという設計が一貫しています。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン は、戦争が終わった世界で、人の言葉を手紙にする仕事に就いた少女の物語です。アニメーション制作は京都アニメーションで、同社の公式作品一覧にも掲載されています。窓から差し込む光、水面の反射、紙の質感といった細部が徹底して描き分けられており、手の動きだけで感情を見せる場面が繰り返し登場します。
タイプ4 エフェクトとデジタル合成で選ぶ
炎・光・粒子といった、形の定まらないものの表現が主役になるタイプです。撮影工程での処理が画面の印象を大きく左右するため、同じ制作会社でも作品ごとに手触りが変わります。
Fate/Zero は、願いを叶えるとされる聖杯を巡って魔術師たちが争う物語で、アニメーション制作はufotableです。同社の公式作品一覧では、第1期が2011年、第2期が2012年として掲載されています。魔力の光を、色ではなく密度で描き分けるのが特徴で、夜の戦闘における光量のコントロールが見どころになります。
86―エイティシックス― は、無人兵器と呼ばれながら実際には人が乗り込んで戦う部隊と、その指揮管制官を描く作品です。監督は石井俊匡、シリーズ構成は大野敏哉、キャラクターデザインと総作画監督は川上哲也、アニメーション制作はA-1 Picturesです。兵器の描写に立体的な処理を使いながら、キャラクターの手描きの線と馴染ませる設計が徹底されています。
ぼっち・ざ・ろっく! は、家でひとりギターを弾いていた少女がバンドに加わっていく物語で、アニメーション制作はCloverWorksです。通常のアニメーション表現に加え、切り絵風・実写風・立体物風といった異なる質感の映像が場面ごとに差し込まれるのが特徴で、表現の切り替え自体が演出になっている珍しい作りをしています。
タイプ5 劇場級の密度をTVシリーズで通す作品
1話単位ではなく、シリーズ全体を通して密度が落ちないことが語られるタイプです。話数が多い作品でこれが成立していると、視聴後の満足感が大きく変わります。
進撃の巨人 Season 1 は、巨大な壁の内側で暮らす人類を描く作品です。公式サイトによれば監督は荒木哲郎、シリーズ構成は小林靖子、キャラクターデザインは浅野恭司、制作会社はWIT STUDIO、制作協力はProduction I.Gと記載されています。立体機動と呼ばれる移動の描写で、カメラが人物と一緒に空中を移動する画面設計が特徴です。
甲鉄城のカバネリ は、産業革命期を思わせる世界で、不死の怪物が現れた島国を舞台にした作品です。監督は荒木哲郎、シリーズ構成と脚本は大河内一楼、キャラクターデザインは江原康之、音楽は澤野弘之、アニメーション制作はWIT STUDIOです。蒸気機関車という金属の質感と、人物の芝居を同じ画面で成立させる設計が見どころになります。
モブサイコ100 は、強い力を持ちながら目立たないように生きる中学生を主人公にした作品で、公式サイトによれば全12話、2016年放送、アニメーション制作はボンズです。ボンズの公式作品一覧にも同年の作品として掲載されています。画面の描き方そのものを場面ごとに変える表現が特徴で、絵の具のような筆致に切り替わる場面が随所に置かれています。
制作会社別に見る作風の違い
作画で作品を選ぶようになると、次に効いてくるのが制作会社の作風です。ここでは各社の公式サイトの作品一覧に掲載されている作品の範囲で、傾向を整理します。会社ごとの名作をまとめて知りたい場合は、制作会社(スタジオ)別に選ぶ名作アニメもあわせてご覧ください。
ufotable
公式の作品一覧には、Fate/Zeroの第1期と第2期、Fate/stay night Unlimited Blade Works、鬼滅の刃のシリーズが並びます。光と暗さのコントラストを軸にした画面作りが共通しており、夜や屋内の場面に強いことが作品の並びからも読み取れます。
MAPPA
公式の作品一覧には、呪術廻戦のシリーズ、チェンソーマン、進撃の巨人 The Final Seasonが掲載されています。原作の絵柄をそのまま動かすのではなく、作品ごとに画面の質感を作り替える方針が、並んだ作品の見た目の違いから分かります。
京都アニメーション
公式の作品一覧には、ヴァイオレット・エヴァーガーデン、Free!のシリーズ、氷菓などが並びます。日常の所作と光の表現に手数をかける傾向があり、戦わない場面の情報量が作風の核になっています。
ボンズ
公式の作品一覧には、モブサイコ100のシリーズ、鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST、血界戦線などが掲載されています。アクションの誇張と、表現手法の実験を同居させる作品が多いのが特徴です。
WIT STUDIO
進撃の巨人 Season 1の公式サイトに制作会社として記載があり、甲鉄城のカバネリも同社の制作です。空間の中を人物が高速で移動する描写を含む作品が多く、カメラの動きを含めた設計に特徴があります。
CloverWorks
公式の作品一覧には、その着せ替え人形は恋をするのシリーズ、SPY×FAMILY、ぼっち・ざ・ろっく!などが並びます。キャラクターの芝居と、表現手法の切り替えの両方を扱う作品が目立ちます。
P.A.WORKS
公式の作品一覧には、凪のあすから、白い砂のアクアトープなどが掲載されています。実在の風景を下敷きにした背景と、水や光の表現が作風の中心にあります。
A-1 Pictures
公式の作品一覧には、リコリス・リコイルをはじめとする作品が並びます。86―エイティシックス―も同社の制作で、立体的な処理と手描きの線を馴染ませる方向の作品が多く見られます。
サイエンスSARU
配信サービス公式の作品ページで、平家物語のアニメーション制作として記載されているのがサイエンスSARUです。同作では監督・シリーズ構成・キャラクター原案が個別に表記されており、線の質そのものを作品ごとに設計する作り方が、公式クレジットの構成からもうかがえます。色数を絞った画面を選べる会社は多くないため、静かな映像を探している人にとっては手がかりになります。
ライデンフィルム
同じく配信サービス公式の作品ページで、よふかしのうたのアニメーション制作として記載されている会社です。夜だけで進む作品の画面を最後まで持たせるには、暗部の色をどれだけ細かく分けられるかが問われます。暗い画面が好みの人は、この会社の作品を候補に入れておくと選択肢が広がります。
最後まで作画が安定している作品の見分け方
作画がすごいと語られる作品でも、後半で印象が変わることがあります。見始める前に、公式情報だけで確認できる材料が3つあります。
手順1 話数を確認する
まず公式ページで話数を見ます。話数が多いほど、同じ密度を保つ難しさは上がるというのは制作の構造上そうなります。本記事の16作品でいえば、11話から26話まで幅があり、12話前後の作品は最初から最後まで同じ調子で見通しやすい構成です。
一方で26話の作品が不安定というわけではありません。凪のあすからや進撃の巨人 Season 1のように、長さを前提に設計されている作品もあります。話数は不安材料ではなく、どういう作り方をされているかを推し量る材料として使います。
手順2 期の区切りを確認する
公式の作品一覧を見ると、同じ作品が第1期・第2期と分けて掲載されていることがあります。Fate/Zeroが第1期と第2期に分かれているのがその例です。期ごとに区切られている作品は、区切りの単位で制作されているため、1期分を見るという前提で時間を見積もれます。
分割して放送された作品は、放送の間隔が空くぶん、各期の内部で密度が保たれやすい構成になります。視聴側から見れば、1期の話数だけを最初の目標にすればよいということです。
手順3 総作画監督の表記を見る
公式のスタッフ欄に、キャラクターデザインと総作画監督を兼ねる人の名前が載っている作品があります。本記事の16作品では、その着せ替え人形は恋をする、86―エイティシックス―がこれにあたります。絵柄の基準を一人が通して管理する体制であることが、公式表記から読み取れます。
それでも不安なときの見方
判断がつかないときは、公式が配信している第1話を見て、戦闘でも見せ場でもない普通の会話の場面を確認してください。日常の場面の作画が丁寧な作品は、全体の水準が高いことが多くなります。見せ場だけに手をかけた作品と、全編に手をかけた作品の差は、むしろ何も起きていない場面に出ます。
作画を楽しむ視聴環境の整え方
同じ作品でも、見る環境によって受け取れる情報量は変わります。特別な機材は必要ありませんが、設定を一度見直しておく価値はあります。
画質設定を確認する
多くの配信サービスは、通信量を抑えるために自動で画質を下げる設定を持っています。暗い場面の階調は、画質が落ちたときに最初に失われる部分です。背景美術やエフェクトが見どころの作品を見るときは、設定画面で画質を高い側に固定しておくと、意図された画面に近づきます。
画面サイズと視聴距離
背景美術は、画面の隅に情報が置かれていることが多くなります。小さな画面で見ると、その部分が単なる色の面に見えてしまいます。可能なら大きい画面で、それが難しければ画面に少し近づくだけでも受け取れる情報は増えます。
部屋の明るさ
暗い場面が多い作品では、部屋が明るいと画面に映り込みが出て、暗部の描写が見えなくなります。夜の描写が中心の作品を見るときは、照明を落とすか、画面に光が直接当たらない向きに座るだけで印象が変わります。
配信状況の確認は取得日つきで
どの作品がどのサービスで見られるかは、時期によって入れ替わります。本記事に載せた各作品の情報も、2026年9月10日時点で各公式ページに掲載されていた記載です。視聴前には、各作品ページで最新の状況をご確認ください。
作画で作品を選ぶときに失敗しやすい5つのパターン
- 切り抜き映像だけで決める: 短い動画は、その作品のなかでも動きの多い数秒を抜き出したものです。その数秒が作品全体の平均ではないため、本編の普通の場面を1つ確認してから決めるほうが確実です。
- 話数を見ずに始める: 26話の作品を12話のつもりで始めると、途中で時間の見通しが崩れます。話数は視聴前に確認しておきたい情報のひとつです。
- 好みの要素を1つに絞りすぎる: 戦闘作画だけを軸にすると、日常芝居や背景美術が主役の作品を取りこぼします。タイプを2つ以上またいで試すと、自分の好みの輪郭がはっきりします。
- 制作会社の名前だけで判断する: 同じ会社でも作品ごとに画面の質感は変わります。会社は候補を絞る手がかりであって、決め手にはなりません。
- 小さい画面で見て評価を決める: 背景と暗部の情報は、環境次第で最初に失われます。合わないと感じたら、環境を変えてもう一度見てから判断するほうが後悔がありません。
筆者の判断基準
作画で作品を選ぶとき、筆者は次の順で確認しています。第一に、公式のスタッフ欄でアニメーション制作と、キャラクターデザインや総作画監督の表記を見ます。ここで絵柄の管理体制がどうなっているかの見当がつきます。
第二に、話数と期の区切りを確認し、1回の視聴で目指す終点を決めます。終点が決まっていない視聴は途中で止まりやすいというのが実感です。第三に、第1話の会話の場面だけを見て、動きの少ない場面の手触りを確かめます。ここが自分に合っていれば、見せ場は高い確率で楽しめます。
順位や点数は使いません。作画の好みは、動きの気持ちよさを取るか、静けさの密度を取るかで大きく分かれるため、他人の総合評価は自分の判断材料になりにくいと考えています。
よくある質問
作画がすごい作品は物語も面白いのでしょうか
映像の作り込みと物語の好みは別の軸です。本記事は映像面の見どころに絞って整理しているため、物語の好みで選びたい場合は、公式のあらすじを読んで主人公の目的が自分の関心に合うかを先に確認してください。両方を満たす作品を探すなら、タイプ別の一覧から気になる作品を2つか3つ選び、それぞれの公式あらすじを読み比べる方法が確実です。
古い作品でも作画は楽しめますか
楽しめます。本記事の16作品にも2011年から2022年まで幅がありますが、時期が新しいほど良いという単純な関係にはなっていません。手描きの枚数で見せる作品と、撮影処理で見せる作品では、そもそも狙っている画面が違います。制作された時期の技術の中で何を優先したかという視点で見ると、古い作品ほど発見があります。
途中で作画が変わったと感じたらどうすればよいですか
まず、その回が本編の通常回か、総集編や特別編かを公式の各話一覧で確認してください。構成上の意図で画面の作りを変えている場合もあります。そのうえで気になるようであれば、同じ制作会社の別作品や、同じタイプの他作品に移るのが現実的です。作画の好みは合う合わないの問題で、我慢して見続ける必要はありません。
映像に惹かれた作品は原作でも
映像で気に入った作品は、原作を読むと世界観の細部まで追えるようになります。物語や設定を知ってから見返すと、画面の隅に置かれた情報の意味が分かることも多くあります。気に入った作品は、原作もあわせて楽しんでみてください。
心を動かされる映像という点では、劇場作品も選択肢になります。泣けるアニメ映画のおすすめでは、上映を前提に作られた作品を整理しています。
参照した公式情報(2026年9月10日取得)
作品の話数・放送年・アニメーション制作・あらすじ・スタッフ表記は、各作品の公式サイトと、配信サービス公式であるdアニメストアの各作品ページで確認しました。制作会社の作品一覧は各社の公式サイトを参照しています。
- テレビアニメ 鬼滅の刃 竈門炭治郎 立志編
- 呪術廻戦
- チェンソーマン
- その着せ替え人形は恋をする
- 凪のあすから
- よふかしのうた
- 平家物語
- 86―エイティシックス―
- ぼっち・ざ・ろっく!
- 甲鉄城のカバネリ
- アニメ 鬼滅の刃 公式サイト
- TVアニメ 進撃の巨人 Season1 公式サイト
- TVアニメ モブサイコ100 公式サイト
- TVアニメ 白い砂のアクアトープ 公式サイト
- TVアニメ ヴァイオレット・エヴァーガーデン 公式サイト
- アニメ Fate/Zero 公式サイト
- TVアニメ その着せ替え人形は恋をする 公式サイト
- TVアニメ 86―エイティシックス― 公式サイト
- ufotable 作品一覧
- MAPPA 作品一覧
- 京都アニメーション 作品一覧
- ボンズ 作品一覧
- CloverWorks 作品一覧
- P.A.WORKS 作品一覧
- A-1 Pictures 作品一覧
制作会社の作風については、公式の作品一覧が公開されている会社はその一覧を、それ以外の会社は担当作品の公式ページに掲載されたアニメーション制作の表記を根拠にしています。どちらの場合も、記事で扱ったのは公式に載っている事実の範囲だけです。
配信されているかどうかは各サービスの都合で入れ替わります。上記は取得日時点の記載です。
まとめ
作画がすごいアニメを探すときは、自分が求めているのが動きなのか、背景なのか、光なのかを先に決めると選びやすくなります。戦闘作画・日常芝居・背景美術・エフェクト・劇場級の密度という5つのタイプに分けておけば、作品名の一覧を眺めるよりずっと早く候補が絞れます。
選んだあとは、公式ページで話数と期の区切り、スタッフ表記を確認しておくと、最後まで気持ちよく見通せる可能性が高まります。画質設定と画面サイズを整えるだけでも受け取れる情報は増えるので、見る前の数分をそこに使ってみてください。


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